携帯もSNSもない1990年代を舞台に、世界最北端の街ムルマンスクを目指しての鉄道旅行。
メランコリーとオフビートなユーモア、見知らぬ者同士の出会いの感動を最果ての地で昇華させた純愛物語。
Story:
モスクワに留学中のフィンランド人学生ラウラ(セイディ・ハーラ)。
古代のペトログリフ(岩面彫刻)を恋人と一緒に見に行く予定だったが、ドタキャンされてしまい、急遽一人旅に。
そんな彼女が寝台列車6号コンパートメントに乗り合わせたのは、モスクワのインテリたちとは正反対の粗野なロシア人労働者リョーハ(ユーリー・ボリソフ)。
全く気の合うはずのない二人は半ば否応なしに、二泊三日の旅を共にすることになるのだが・・・。
Behind The Inside:
コロナ禍のロシアでの撮影は難航を極めた
監督は時刻表に左右され撮影が制約されても、移動する列車内にこだわって撮影した。
それは動いている列車内で撮影することによる、リアルで絶大な効果を狙ってのことだそう。
だがコロナ禍のため予定は狂い、モスクワ・ロケ撮影の予定がサンクト・ペテルブルグに置き換えて撮影された。
また列車内ということもあり非常に暗いシーンが続くため、フィルム撮影後の現像はロシア国内では技術的に不可能でありハンガリーのブタぺストのラボで予定していたが、こともあろうにコロナ禍のため撮影後のネガフィルムをロシア国外へ持ち出すことが厳禁となった。
そのため撮影スタッフがこっそりロシアの国境を越え、現像所へ運んだという。
傑作が生まれた陰でこんな苦労があったのだ。
Awards:
- 第94回アカデミー賞:国際長編映画賞・フィンランド代表
- 第74回カンヌ国際映画祭:グランプリ・ユホ・クオスマネン、エキュメニカル審査員特別メンション・ユホ・クオスマネン
- ファロ諸島映画祭:お気に入り俳優賞・ユーリー・ボリソフ
- ヨーテボリ国際映画祭:最優秀演技賞・セイディ・ハーラ、国際批評家連盟賞・ユホ・クオスマネン
- マナキ・ブラザーズ映画祭:メイン・コンペティション・カメラ300・J・P・パッシ(撮影監督)
- ユッシ賞:最優秀作品賞、最優秀女優賞・セイディ・ハーラ、監督賞・ユホ・クオスマネン、、脚本賞、撮影賞、メイクアップ賞、編集賞
- サンパウロ国際映画祭:最優秀俳優賞・ユーリー・ボリソフ
- バリャドリッド国際映画祭:最優秀俳優賞・ユーリー・ボリソフ
『コンパートメント No.6/Compartment Number 6』(2021年・フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ・1時間47分)
監督:
ユホ・クオスマネン
出演:
セイディ・ハーラ、ユーリー・ボリソフ、ディナーラ・ドルカーロワ
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