歴史を変える秘宝の謎『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
ハリソン・フォードが伝説の考古学者であり冒険家インディ・ジョーンズを演じる大ヒット・シリーズ第5作!
インディが生涯をかけて探し続けた伝説の秘宝「運命のダイヤル」。
元ナチスの科学者フォラーもまた人間の想像をはるかに超え歴史を変える力を持つと言われる秘宝を狙っていた。
インディ史上、最大にして最後のアクション・アドベンチャーの幕があがる。
Story:
時代は1969年、アメリカと旧ソ連の宇宙開発が競われていた。
教授職の引退を前にインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は、旧友の娘ヘレナ・ショウ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)の導きによって、歴史を変える秘宝といわれる「運命のダイヤル」を探し求める冒険に出る。
それは、インディが生涯をかけて追い求めてきたものであり、秘宝を絶対に渡してはならない因縁の宿敵である元ナチスの科学者ユルゲン・フォラー(マッツ・ミケルセン)と激しい争奪戦と繰り広げることになる。
Behind The Inside:
公開時期には、何と81歳となる若々しいハリソン・フォード
本来の計画であれば、ハリソンが77歳の時に本作の公開時期であったのが、様々な理由で製作と公開が延期され、2021年6月、ハリソンが78歳の時に撮影がスタートした。
インディ役を演じ切るため、ハリソンは、60キロ以上、自転車を漕ぐトレーニングを自らに課し、日々、ウォーキングにより、身体を鍛え、シェイプアップしたという。
Under The Film:
異例ずくめの第5作目
本作は、一つの理由だけではない諸般の事情からスティーブン・スピルバーグが監督から製作に引き、ストーリーもジョージ・ルーカス本人が本作から離脱したため、書いていない。
そして、ディズニーがルーカス・フィルムを買収したため新しい続編に関しての全ての権利もディズニーに移った。
パラマウント映画作品ではないというところが古くからのインディ・ファンの観客にとって冒頭のあの山のマークが出てこないという点でかなりのサプライズなのではないのだろうか。
テクニカルな面でも前作から時間ががかなり経過しているが、本作はフィルム撮影ではなく、デジタル撮影となり、ハリソン・フォードの顔もまたシーンによっては時代設定上の理由もあり、視覚効果によって、ディ・エイジングして若返らせている。
ルーカス・フィルム所蔵の撮影時の映像とマッチングするインディの顔をA.I.技術によって抽出し、ディ・エイジングさせている。
こうした面では視覚効果処理のし易いデジタル化の恩恵はあるのではないか。
ちなみにこのインディの顔のディ・エイジング処理に関しては、スピルバーグは猛反対している。
ただ本作のストーリーが『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008年)の繋がりというところを鑑みれば、あれから13年は経過しているので、致し方ない部分はある。
本編の実動部隊である監督、脚本、撮影に関しては、近年の名作となった『フォードvsフェラーリ』(2019年)の監督ジェームズ・マンゴールドに指揮を任せ、脚本家もまた『フォードvsフェラーリ』のジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワースがスピルバーグと長年、共作してきた脚本家デヴィッド・コープに加わり、ストーリーを完成させ、撮影はフェドン・パパマイケルとマンゴールド組といって差し支えないチームで撮影に臨んでいる。
インディ・ジョーンズといえば、スピルバーグ印であり、ハリソン・フォード以外が演じることは想像しづらいということは世界中の映画好きが認めるところであり、ジョージ・ルーカスが途中で降りて以降、最新作の製作に関してもこの両名の考えや意見が支配的であり、加えてディズニーの意向がある中で完成するまでの苦難の道が容易に想像でき、昔ながらのインディ・ファンは、様々なところを新旧で比較しながら楽しめる。
またスピルバーグは、『シンドラーのリスト』(1993年)を作った以降の作品では、ナチス・ドイツの描き方に気を遣うようになったと言われており、茶化したり、風刺的な描き方を避けているそうで、そうした考えが本作にも現れているのかもしれないという点にも要チェックしたいところである。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル/Indiana Jones and the Dial of Destiny』(2023年・アメリカ・2時間22分)
監督:
ジェームズ・マンゴールド
出演:
ハリソン・フォード, フィービー・ウォーラー=ブリッジ, アントニオ・バンデラス, マッツ・ミケルセン、ジョン・リス=デイヴィス, ボイド・ホルブルック、トーマス・クレッチマン、シャウネット・レネー・ウィルソン、トビー・ジョーンズ 他
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