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未来につなぐ魂の東北巡礼『ラスト・シャドウ・アット・ファースト・ライト』、東日本大震災後の岩手県、陸前高田。 被災地でボランティア活動中に行方不明になってしまった母アサミを探すため、東京でタクシー運転手として働く叔父イサムを訪ねてシンガポールから来た娘アミ。 だがイサムには、故郷に戻りたくない理由があった・・・。 共に陸奥へと向かうアミとイサム。 変わってしまった故郷の姿、そして想像を超えた経験が二人を待っていた。 震災後、今もなお苦しむすべての人に捧げる喪失の痛みと癒し、そして、未来への希望と成長の物語。、被災した人々、家族のその後のメンタル面への影響、その癒しに着目して製作された意欲作、ラスト・シャドウ・アット・ファースト・ライト、Last Shadow at First Light、ニコール・ミドリ・ウッドフォード、永瀬正敏、白田迪巴耶、筒井真理子、ピーター・ユウ、

未来につなぐ魂の東北巡礼『ラスト・シャドウ・アット・ファースト・ライト』

東日本大震災後の岩手県、陸前高田。

被災地でボランティア活動中に行方不明になってしまった母アサミを探すため、東京でタクシー運転手として働く叔父イサムを訪ねてシンガポールから来た娘アミ。
だがイサムには、故郷に戻りたくない理由があった・・・。

共に陸奥へと向かうアミとイサム。
変わってしまった故郷の姿、そして想像を超えた経験が二人を待っていた。

震災後、今もなお苦しむすべての人に捧げる喪失の痛みと癒し、そして、未来への希望と成長の物語。


Story:

シンガポールで父(ピーター・ユウ)と暮らす高校生のアミ(白田 迪巴耶)。

東日本大震災が起きた時、シンガポールにいた母サトミ(筒井 真理子)は震災後、両親の安否を気遣い、被災した故郷である陸前高田へと帰国。
その後、被災者のためのボランティア活動をしている内にサトミとの連絡は途切れ、消息不明となっていた。彼女の身に何が起きたのか?

母の存命を頑なに信じ、母の肉声が録音されたカセットテープをお守りのように聞き入るアミは、よく母の夢を見るのだった。

そして日本には、被災した陸前高田を離れ、東京でタクシー運転手として働く孤独な叔父イサム(永瀬正敏)がいたが、アミはその存在を知らなかった。

その叔父から母へ宛てた手紙を発見したアミは、自分が夢で何度も見た場所を辿れば母を探し出せるのではないかと、見知らぬ叔父を頼りにひとりで日本へと向かう。

イサムが運転するタクシーで失踪した母を探しに東北へと向かうアミ。
陸奥への旅路でそれぞれが抱えるトラウマと対峙し、ぶつかりあいながらアミは母の元へと導かれてゆく・・・。


被災した人々、家族のその後のメンタル面への影響、その癒しに着目して製作された意欲作

2023年東京フィルメックス・メイド・イン・ジャパン部門に出品された本作の上映後、ニコール・ミドリ・ウッドフォード監督とキャストの永瀬正敏、白田迪巴耶、筒井真理子の4名が登壇し、Q&Aに答えた。

シンガポール出身で、祖母が日本人である監督ニコール・ミドリ・ウッドフォードは、震災そのものにフォーカスするではなく被災した人々がどのような心の痛みを感じ、震災による被害が家族の関わり方、関係にどのような影響を与えたのかという点に着目して映画作りを進めたという。

ニコール・ミドリ・ウッドフォード監督

ニコール・ミドリ・ウッドフォード監督「本作のリサーチをするにあたって、誠意をもって、優しさをもってこの題材に取り組みました。今、私たちが住む世界は、非常に容易く壊れやすいという面がある。私たちは、痛みを抱えて、苦しみを抱えて日々、生き抜いています。その中で大切なことは、互いに優しくあることだと感じています。」

『ラスト・シャドウ・アット・ファースト・ライト/Last Shadow at First Light』より

ニコール・ミドリ・ウッドフォード監督「日本人ではない私が今回この作品で試みたのは、震災後10年を経た後、家族の姿を描く、震災の肖像画を描こうとしました。被災した方々がどのように癒されてゆくのか?その過程を描きたかった。」

「十分に深く探求できたのか?という思いもありますが、いつの日か被災して辛い思いをされた方々が癒され、心の平安を取り戻すことができる日が来ることを祈っております。」

『ラスト・シャドウ・アット・ファースト・ライト/Last Shadow at First Light』より

震災で妻を亡くし、喪失感に苛まれながら東京でタクシー運転手をして生計を立てているアミの叔父、イサムを演じる永瀬正敏。本作では、トラウマに襲われ失意のどん底に突き落とされながらも、アミの東北への旅に同行する心優しき叔父を熱演している。

白田迪巴耶(左)、永瀬正敏(右)

永瀬正敏「日本人の役者としては、かなり覚悟のいる役柄であり、物語だと思いました。いつもだったら撮影が始まると監督とは話さないことが多いですが、本作はセンシティブな内容ということもあり、監督、そして白田さんとディスカッションしながら撮影を進めていきました。」

白田迪巴耶

15歳までハワイで育ち英語はネイティブの若手女優、白田迪巴耶。本作前半、シンガポールのシーンでは非常に流暢な英語を披露している。男の子にも本気で殴りかかるボーイッシュな面とスピリチュアルで繊細な部分を共存させて演じることができる期待の新人女優である。

白田迪巴耶「アミを演じていて、途中で母はもしかしたらもういないのかもしれないと思った時もありました。でも信じ続けていれば、何か見つかるかもしれない、手がかりがあるかもしれないとも思い、私自身の客観的な想像とアミの思いを重ねながら演じました」

白田迪巴耶(左)永瀬正敏(中)、筒井真理子(右)

物語の後半に登場し、失踪した母親役の強烈な演技でドラマティックに映画の方向性をまとめてゆく、本作の要ともいえる難役のサトミを演じた筒井真理子もまた撮影現場ではよく話し合った記憶があるという。

筒井真理子「この難役を演じるために監督とも出演者の方々ともとにかくよく話し合っていたのを覚えています。白田さんとも監督とも最後にコタツの中で十分に話し合った記憶がありますが、内容はよく覚えておりません(笑)」

本作は、演者はまるで舞台劇のように人数は少ないが、破格の演技のぶつかり合いが見ものの一つとなっている。

東日本大震災にまつわる映画としては、非常に異色の作品であるが、同時に作品が放つその存在感とメッセージ性は世界へ伝播する力を持っているのではないだろうか。


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『ラスト・シャドウ・アット・ファースト・ライト/Last Shadow at First Light』予告編

『ラスト・シャドウ・アット・ファースト・ライト/Last Shadow at First Light』(2023年・インドネシア・フィリピン・シンガポール・日本・スロベニア・1時間47分)
監督:
ニコール・ミドリ・ウッドフォード
出演:
永瀬正敏、白田迪巴耶、筒井真理子、ピーター・ユウ


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