不況に喘ぐ1980年代のイギリス、ケント州の静かな海辺の街に佇む老舗の映画館エンパイア・シアター。
そこで働く中間管理職の女性と新人青年との心の交流を、魅惑の名作映画たちが照らし出すロマンティックなヒューマン・ラブ・ストーリー
Story:
不況に喘ぐ1980年代のイギリス、ケント州の海辺の街。
地元民に愛される映画館エンパイア・シアターで働く中間管理職のヒラリー(オリヴィア・コールマン)は双極性障害を患い、投薬治療をしている。
また上司のドナルド・エリス(コリン・ファース)とは不倫関係にあった。
ある日、映画館で新人として働くことになった黒人青年のスティーヴン(マイケル・ウォード)がやってくる。
ハンサムでチャーミングなスティーヴンにすっかり魅了されるヒラリー。
ヒラリーはスティーヴンに、すっかり使われなくなり廃墟のようだが風情のある映画館3階のフロアを案内したところ、お互い一気に意気投合したのだった。
職場の仲間たちとすばらしい名作映画を上映しながら、心を通わせ、前を向いて歩いて行こうとする二人だったが・・・。
Behind The Inside:
舞台となった映画館は現存する歴史遺産
ケント州、マーゲートに現存する映画館ドリームランド・シネマが本作の舞台、エンパイア・シアターとして撮影に使われている。
1923年に建設されたドリームランド・シネマは、幾度かのリモデルを繰り返した後、2007年に閉館しているが、その後も議会の承認なしには取り壊し不可の歴史的建造物として保存され続けてきた。
閉館後15年の時を経て、サム・メンデスによって、エンパイア・シアターとして映画の撮影中の期間だけ蘇った。
しかも、カメラマンが数多ある名作を撮ってきた名匠ロジャー・ディーキンスなのだから、ドリームランド・シネマも感無量なのではないのだろうか。
まさに映画のマジックである。
Under The Film:
サム・メンデス監督によるオリジナル・ストーリー
サム・メンデス監督は、過去の作品は脚本家が書いた脚本で映画を製作してきた。
『1917 命をかけた伝令』(2019年)で初めて脚本執筆を手掛け、共同脚本を執筆したが、本作では、全て初めて単独で執筆している。
それほど自ら語りたいストーリーであったということである。
Awards:
- 第95回アカデミー賞・ノミネート:撮影賞・ロジャー・ディーキンス
『エンパイア・オブ・ライト/Empire of Light(原題)』(2022年・イギリス・アメリカ・1時間55分)
監督:
サム・メンデス
出演:
オリヴィア・コールマン, マイケル・ウォード, コリン・ファース, トビー・ジョーンズ, ターニャ・ムーディ, トム・ブルック, クリスタル・クラーク 他
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